古井戸を再生!手作り立水栓

購入した物件を解体する際に唯一残したものが有りました。

それは井戸です。

思いがけないおまけ

解体工事に入る前の打ち合わせで、工務店の担当の方から、

「実はこの家には井戸が有りまして…。」

「へぇ!?井戸?」

という感じでしたが、どうもこの井戸、配管が建物まで伸びているようで、おそらく生活用水として使っていたのでは、とのことでした。 

震災を経験した妻の強い要望で、解体工事で唯一この井戸だけは残すことにしました。

さて、その井戸にはごらんのとおり、かなり年季の入ったポンプが設置してありました。

工務店からは、

「このポンプは動くかどうか分かりませんが…」

と言われていたのですが、いざ電源を繋いでみると、

なにやら中から音がして動いている様子。

なんとか使えそう!!ってことで、まずは穴掘り開始です。

古井戸再生

前の住人は家まで引き込んでいたとのことでしたので、ポンプから家の間でその配管の先端を探し出す作業を開始しました。

宝探しのような感じでしたが、大体の位置を確認しながら掘り進め、無事に掘り当てることができました。

改めてポンプの電源を入れてみると、勢いよく水が噴き出してきました!!

外観はかなり年季が入っていましたが、まだまだイケそうです!

ということで、これからも現役で頑張ってもらうため、このまま雨ざらしでもかわいそうなのでポンプ小屋を作ってやることにしました。

この時点でかかなりの愛着がわいてしまっています。

で、できたのがこんな感じ↓

綺麗に掃除をし、小屋まで設置してあげたら見違えるようになりました。

さて、少し寄り道をしてしまいましたが、本題はこれからです。

配管も無事に掘り当て、ポンプも現役続行できそうってことで、立水栓を作ることにしました。

その設置場所まで配管していきます。

使用する配管は塩ビのパイプです。

そう、よく見かける鼠色をしたあのパイプです。

ホームセンターなどに行くと、同じ鼠色の塩ビパイプでも、大きく分けて2種類のパイプがあることに気が付くと思います。

私も今回初めて知ったのですが、塩ビパイプには”VP管”と”VU管”という規格があるそうです。

VP管は肉厚で一般的に給水管として使われるそうです。

確かに表示にも”スイドウ”と書かれています。

一方、VU管の方は肉薄で、主に排水管として使われるそうです。

同じ径でも肉厚が半分ほどしかないため非常に軽いです。

よって、ポンプから蛇口までをつなぐ給水側にはVP管を、シンク側の排水用にはVU管を使います。

ポンプから蛇口までは何回か方向を変える必要があるため、”エルボ”と呼ばれるL字型の接続パーツを使います。

これも使用するVP管の径に合わせたパーツを選びます。

また、そのパイプとエルボの接続には ↓ の塩ビパイプ専用の接着剤を使います。

これもホームセンターの塩ビパイプコーナー置かれてますのすぐに見つかると思います。

ただ、この接着剤、一度くっついたら二度と取れないので、十分にルートを確認したうえで使いましょう。

立水栓づくり

いよいよ立水栓づくりを始めていきます。

デザインは門柱と合わせました。

白を基調としたシンプルなデザインです。

使用するブロックの数も門柱と比べれば格段に少なく、あっという間に積み終えました。

今回は配管を通しながらの作業でしたが綺麗にまっすぐ積むことができました。

結構、腕を上げたなと、自画自賛。

蛇口の位置にタガネとハンマーを使ってブロックに穴を開け、配管を出しておきます。

蛇口を取り付けるには中にネジが切ってある”バルブソケット”という接続パーツを使います。

クボタケミックス:HITS給水栓用エルボ 型式:HI-WL 13


今回、表面の仕上げには外壁の補修用モルタルを使用しました。

すでに色が付いているので後から塗装をする必要が有りません。

モルタルが十分に乾いたのを確認し、いよいよ事前に購入しておいたとっておきの蛇口を装着します。

ネジ部分には水漏れ防止用のシールテープをしっかりと巻き、取り付けます。

この蛇口もネットで購入したのですが、口が2つ付いていて、例えば下の口にホースを付けっぱなしにしておいても上の口が使えるのでとても便利です。

真鍮製で見た目もレトロ調でいい感じです。

これはおススメの一品です。

さて、ここまでできたら次は排水です。

排水については家の雨水桝までもっていっても良かったのですが、そこまでは少し距離があったため、立水栓のすぐわきに新たな浸透桝を作ることにしました。

シンク側はモルタルを敷き、ブロックで囲います。

モルタルは排水用の塩ビ管に向かって少し傾斜をつけながら平にならしていきます。

モルタルが乾いたら、突き出た塩ビ管をカットします。


シンクの仕上げ方は工夫次第でいろいろできますが、今回は排水口に目皿をつけて、白い玉石を敷くことにしました。


これで立水栓が完成です。

思いがけず井戸を手に入れることができましたが、芝や植木の水やり、洗車や夏場の子供たちのプールなど大活躍です。

今では我が家になくてはならない存在になっています。