DIYで憧れの乱張りアプローチ!プロでも難しい乱張り石の簡単な施工方法をご紹介。美しい乱張りに仕上げる裏技公開。

門柱の次に挑んだのが玄関までのアプローチです。
一言にアプローチと言ってもレンガ張り、インターロッキング、枕木などなど、様々なものが有ります。
その中でも一番気に入ったのが乱張り石でした。
見た目にも美しい乱張りですが、素人には難易度も高く、なんせ手間がかかります。
しかし、あえてこの乱張りに挑むことを決心しました。

乱形石には天然クォーツ(石英)を選択しました。
また、あくまで自然な雰囲気にこだわった庭作りを進めていきたかったので、グラインダーなどの電動工具は一切使わず、11枚玄翁で叩いて割って形を整えながら張って行きました。
電動工具で形を整えてしまうと切断面が人工的になってしまい自然な雰囲気が出せません。
ただし、これが気の遠くなるような作業でした。。。

範囲の確認

乱張りを行うのは玄関までのアプローチと駐輪場までの一部分(ハッチング)で、総面積は約9㎡です。

まず、レンガでエッジングをしていきます。
乱張りアプローチの範囲を決める境界線作りです。
玄関ポーチに完成時の高さの基準線をマークし、そこから水糸を張ります。
ラインに合わせてモルタルを盛りレンガを置いていきます。
水糸とレンガの高さを確認しながら並べていきます。


レンガもJIS品ではなく自然な風合いのオーストラリアレンガを使用しました。
サイズはJIS品よりもやや大きく、表面はスカスカした感じで、やわらかいのでぶつけると簡単にかけてしまいます。
このスカスカが水を吸って、時間が経つと苔が生えてきたりしてまた良い味付けをしてくれます。

基礎作り

次に、我が家が完成してからとりあえず敷いていた砕石を突き固めていきます。
あとで沈んでこないようによく突き固め、砕石がしまってきたなと感じたらOKです。

この上にパサモルを敷いていきます。
パサモルとはその名の通り水分が少ない状態のパサパサしたモルタル(砂中目3:セメント1)のことです。


この上に乱形石を貼っていきますので、敷いた後は先のエッジングのレンガを使って適当な高さで水平に均して行きます。
ここで門柱の基礎にも使った木枠用の板を2枚使って簡単な均し用の道具を作ります。

グラウンドを整備する時のトンボみたいなものです。
1枚目は両端がレンガの上に乗る長さに調整し、2枚目はレンガとレンガの間に入る長さに調整します。
さらに2枚目は1枚目から乱形石の板厚分ずらし固定します。
乱形石を載せると多少沈むので、乱形石板厚分(最も薄いもの)でちょうど良いです。
パサモルの量ですが、乱形石の板厚にはばらつきがあるので、そのばらつきを吸収できるよう5cm程度あると十分です。


パサモルを敷いてはこの道具で均す、を繰り返します。
ただし、あまり欲張って敷いてしまうと手が届かなくなり作業もしにくくなってしまいます。
かならず作業範囲ごとにパサモルを敷き、均していきます。

乱形石を張る

パサモルを敷き、均した後は乱形石を置き水平を見ます。
水平が出たら一旦乱形石を取りノロを撒きます。

ノロとはセメントのみを水で溶いたものです。
これが乱形石を接着する接着剤のような役割をします。
再び乱形石を置いたら隣の石にまたがって水平器で水平を見ます。
微調整はゴムハンマーなどでコンコンと叩くと沈んでくれます。
あまり強くたたくと沈みすぎてしまうので慎重に調整していきます。

まず、パサモルを敷き、均します。
乱形石の形を整えながらその上に置いていきます。

水平を確認し、位置が決まったら、一旦、乱形石を取り除き、ノロを撒きます。
再び乱形石を置いたら水平を確認します。

ひたすらこの作業の繰り返しです。
なかなか進まず根気のいる作業です。

乱形石の整え方

乱張りは敷石同士の間隔が均一の方が美しく見えます。
まず、パサモルを敷しいたら乱形石を並べてみます。
重なったり、石の間隔が不均一な部分は ↓ のようにマーキングをし、余分な部分を玄翁で叩いて割っていきます。


これがなかなか難しく、初めは思うように割ることができませんでした。
欲張って一気に割ろうとすると全く別のところから割れてしまったり、そうするともうその場所には使えなくなってしまいます。
ですので、少しずつ慎重に作業していきます。
また、なるべく余分な部分が少なくなるように石を選んでいくのもポイントです。
が、これがパズルの様でなかなか進みません。

一日で張れる面積はホントにわずかで、地道な作業です。
グラインダーを使ってしまえば、早く、しかも綺麗に整えられますが、どうしても人工的な感じになってしまうため、私はあえてこの方法を選びました。

目地(仕上げ)

乱形石をすべて並べ終えたら最後の仕上げです。
目地部分にモルタルを詰めていきます。
目地用のモルタルには細目の川砂を使うか、下に敷いたパサモルよりも砂(中目)を少な目にすると良いです。
全体にパサモルをばらまいたらホウキなどで掃いて目地に詰めていきます。
これがとても気持ちいいです。


目地が入るとさらに乱貼り石がくっきりと浮き上ってきます。
乱形石が白だとなおさらです。

仕上げにホースを使って霧状に水を撒き、表面を軽く湿らせてやるときれいに仕上がります。